病院やクリニックで医療事務の負担が大きいと感じている事業者は、医療事務代行サービスに事務作業の一部を委託するのがおすすめです。今回は医療事務代行サービスについて、具体的な業務内容や導入メリット、利用する際の注意点などを詳しく解説します。医療機関で働いている人や運営者の人は、ぜひ参考にしてください。
医療事務代行サービスの業務内容とは
医療事務代行サービスとは、病院やクリニックの事務業務を委託できるサービスです。ここでは、医療事務代行サービスが普及している背景や、委託できる業務内容について詳しく解説します。
医療事務代行サービスが普及している背景
現在の医療・福祉業界は人手不足や離職率の高さが問題となっており、特に事務を担当する従業員は入れ替わりが頻繁です。担当スタッフが医療事務の知識・スキルを備えてもすぐに離職してしまい、再度新しいスタッフの教育をしなければならないというサイクルが続けば、業務の質・効率は低下する一方です。
そのため、外部に委託できる事務についてはアウトソーシングしたいと考える医療機関は少なくありません。医療事務代行サービスは事務作業にかかる負担軽減・業務効率化はもちろんですが、人手不足の解消にも役立っています。
医療事務代行サービスに委託できる業務内容
医療事務代行サービスに委託できるのは、医療機関における事務作業全般です。受付や書類整理、カルテの管理、会計、レセプト作成などのさまざまな業務をアウトソーシングすることが可能です。
医療事務代行サービス業者が従業員を募集して依頼先の病院・クリニックに派遣するスタイルが一般的ですが、中にはレセプト点検業務のみを代行するサービスもあります。
レセプト点検に絞って委託する場合には、点検時に病院・クリニックに来てもらうパターンと、必要書類を郵送してチェックしてもらうパターンの2種類から選択可能です。
医療事務代行サービスを活用するメリット
続いて、医療事務代行サービスに業務を委託することのメリットについて詳しく解説します。
コア業務のリソース確保につながる
事務作業をアウトソーシングすることで、これまで事務に充てていた人材・時間を他の業務に集中させることが可能です。医療事務の業務の中でも専門的な知識やスキルが重視されない仕事を外部に委託すれば、その分医療機関のスタッフはコア業務に時間を充てられます。
コスト削減が叶う
医療事務代行サービスを利用して医療事務の一部を外部委託することで、それまで事務作業にかかっていた人件費のほか、スタッフの採用・教育にかかっていたコストを削減できます。
不足している医療事務スタッフを募集して選考・採用して1から教育するケースを考えると、医療事務代行サービスの利用によって大幅なコストカットがかなうでしょう。
業務効率・業務品質がアップする
医療事務代行サービスを利用する際は、業務のどこまでを委託して、どこからを医療機関のスタッフで対応するのかを明確にする作業が必要です。
業務を細かく仕分けすることで作業に集中できる上、業務の洗い出しの際に無駄な作業を省けるため、結果として業務効率アップがかないます。また、医療事務代行サービスのスタッフは医療事務に関する高いスキルを備えているので、業務品質アップにもつながります。
働き方改革につながる
レセプト点検を実施する期間は、スタッフの残業が当たり前になっている医療機関も少なくありません。そこで、医療事務代行サービスを利用してレセプト点検業務を外部委託すれば、残業が少なくなることで働き方改革につながります。
診療報酬の請求漏れ・返戻がなくなる
医療事務代行サービスにレセプト点検業務を委託すれば、ケアレスミスによるレセプト返戻・再請求や請求漏れを大きく減らすことが可能です。
診療報酬のいけ取りが遅くなるのを防げるほか、専門性の高い医療事務代行サービスのスタッフから指導を受けることにより、医療機関のスタッフもレセプトに関する知識を身につけられます。
医療事務代行サービスを利用する際の注意点
医療事務代行サービスを利用する際は、セキュリティ対策に注意が必要です。業務を委託すれば、病院・クリニックの患者さんの個人情報を医療事務代行サービスのスタッフが取り扱うことになるため、プライバシーポリシーを必ず確認しておきましょう。
また、医療事務代行サービスを利用するには当然コストがかかるため、予算と委託したい業務内容のバランスを考えながらプランを組むこともポイントです。
サービス利用のコストを抑えたい場合、依頼する内容がレセプトチェック代行業務のみであれば、レセプトチェックソフトの導入を検討するのもおすすめです。
まとめ
今回は、医療事務代行サービスの概要や委託できる業務内容、サービス活用のメリットや注意点などを詳しく解説しました。医療事務代行サービスは、病院やクリニックにおける医療事務業務を委託できるサービスであり、受付から会計・レセプト作成までのほとんどの業務を委託可能です。医療事務代行サービスを利用すれば業務効率・業務品質がアップするほか、コア業務のリソースを確保できるなどのメリットもあります。また、医療事務代行サービスのスタッフはレセプト業務の知識も豊富であるため、診療報酬の請求漏れやレセプト返戻も少なくなるでしょう。コストを抑えたいケースでは、レセプトチェックソフトの導入を検討するのもよいでしょう。
