レセプトは、医療機関が診療報酬を得るために提出されます。こちらを作成・チェックし、提出するまでにかけられる時間は、長いものではありません。期間内にすべてを終える必要があるため、その時期は繁忙期となります。できるだけ効率をよくして、忙しい時期を乗り越えるためにはどんな方法が有効的なのでしょうか。
レセプト業務の繁忙期はいつ？
レセプトとは、医療機関が診療報酬を請求するために提出するレシートのようなもので、日本語では診療報酬明細書といいます。そしてレセプト業務とは、このレセプトの作成、不備のチェック、提出するまでの一連の流れのことをいいます。
通常、レセプト業務は月末から翌月9日ごろに行い、その時期は繁忙期となるのです。この繁忙期のことを、レセプト週間と呼んでいます。また、医療機関の種類によっては、季節性によって受診者が増える時期もあります。
受診者が増えることは、直接的にレセプト業務が忙しくなることと関係します。この期間には、従業員に残業が発生する場合や、休みを取りづらいといった声も多くあがりやすいです。
忙しいレセプト週間の負担を軽減する方法
レセプト週間には、業務量が集中するため非常に忙しい期間となります。早めに作業をおこなえばよいのでは？と考えてしまいがちですが、レセプトは1か月間の診療記録を患者ごとにまとめて作成します。
そのため、月末ごろにならなければ後から追加の情報が出てくる可能性があるのです。また、提出日は翌月の10日ごろまでと定められているため、この期間内に作業をする必要があります。
そうなると、いかに効率よく作業を進められるかがキーとなります。レセプト業務を効率的におこなうためには、業務フローの見直しが有効的です。一度、普段おこなっている業務フローを一覧図にしてみましょう。
そこで、どの業務に時間かかかっているか、人員が不足しているか、無駄な作業が発生しているかなどを洗い出します。次に、その問題を解決するためにはどのような改善をおこなうべきかを精査しましょう。
もし人員が不足している場合は、人員の確保が不可欠です。人員の確保に際して、適切な教育も必要となります。このような方法の他に、レセプト業務を効率よくおこなうためのシステムを導入する方法もあります。
レセプト業務の効率化に向けたシステム導入と活用法
レセプト業務をおこなう上で便利なのが、レセプトシステムです。いくつか種類がありますが、ほとんどの医療機関で使われているものにレセプトコンピュータというものがあります。通称レセコンと呼ばれており、レセコンは日々の業務にも関わってくるものです。
患者が医療機関を受診しに来た際、診察券や保険証を提示して受付をします。この受付や、患者の情報の登録をレセコンでおこなうことができます。昨今では電子カルテと一体化しているものもあり、診療内容の保存や、支払額に関わる点数計算なども一緒におこなえるものも多いです。
レセコンに登録した内容は、レセプト作成の際に自動的に必要事項を抽出・挿入してくれます。人の手でひとつひとつ入力していくよりも、圧倒的なスピードを誇ることは想像にたやすいでしょう。
さらに、レセプト業務で一番の労力がかかるところはレセプト点検業務です。この作業は、作成したレセプトの内容に間違いや漏れがないかをチェックする作業です。
レセプトチェックの際に見落としがあると、提出したレセプトが差し戻されることとなり、診療報酬の受取日が遅くなってしまいます。修正にも手間と時間を要するため、レセプトチェックは正確におこなう必要があります。
そこで役立つのが、レセプトチェックシステムです。このシステムは、非常に手間のかかるレセプト点検を自動でおこなってくれます。人間が見逃してしまうような小さな不備も、システムが正確にチェックします。
処理速度も人間とは比べ物にならないほど速いため、大きな時間短縮が見込めるでしょう。導入には費用がかかりますが、手作業でレセプト点検をおこなうことにも人件費がかかります。
中にはレセプト週間には残業が発生している現場もあり、従業員の負担も大きなものとなってしまいます。レセプトチェックシステムの導入にかかる費用や手間と、人件費や従業員にかかる負担とを天秤にかけ、どちらがより効率的かを比較しましょう。
まとめ
レセプト業務はとても大変なもので、この業務が集中するレセプト週間は医療機関の繁忙期といえます。定められた期間内に終えなければいけないというスピード感と、不備がないようにレセプトを仕上げる正確さの両方を兼ね備えた作業が必要になります。従業員には大きな負担となるこのレセプト週間をうまく乗り切るためには、より効率的な作業方法を確立することが重要です。効率化を図るため、業務フローの見直しや人員の確保をすることは必要不可欠です。しかし、人間の能力ではある程度限界があるため、必要に応じてレセコンやレセプトチェックシステムの導入を検討しましょう。本記事が、レセプト期間を乗り切るヒントになれば幸いです。
